社会福祉法人共生福祉会 福島美術館

福島美術館のトップページ
福島美術館通信
展覧会のお知らせ
主な収蔵品
伊達な作品写真館
福島美術館の歴史
館内ガイド&交通ガイド
リンク&スペシャルサンクス
ゲストブック
Q&A
ミュージアムグッズ
広瀬川とミュージアム散策マップ
学芸員日記(ブログ)
お問い合わせ
プライバシーポリシー
サイトマップ

福島美術館通信

次回前回一覧

平成27年9月1日

福島美術館通信 No.54
【陳列作品紹介】

楽描帖より 北澤楽天(きたざわらくてん)・他 一冊

大正11年(1922)頃 紙本墨画淡彩 24.1cm×18.2cm×2.3㎝

今回ご紹介するのは、画帖の第二面です。赤ら顔の男性が雲間の山の頂きに座り、瓶を傾けコップに注いでいる姿をあっさりとした色調で描いた作品。よく見ると瓶のラベルには富士山の絵があり、右から「フジビール」と読み取れます。この男性はビールですっかりほろ酔い気分のようです。この山は霊峰・富士と思われます。「富士山でフジビール!」とでも題をつけましょう。

実は「フジビール」は今で言う宮城の地ビールでした。福島美術館の名前の由来でもあり当会の設立者・福島禎蔵(1890~1979)が、大正8年(1919)に設立した東洋醸造株式会社で同10年10月10日より発売したものです。これは冷害で苦しむ宮城の農民の救済として考案した地産地消の社会事業でした。ラベルには「富士山」が使われましたが、この原画となったのが「七福絵はがき」でもご紹介している画家・書家である中村不折の「富士図」です。残念ながら、当時仙台では需要が伸びず、同12年5月、麒麟麦酒株式会社に吸収合併されて、フジビールは消えてしまいます。一方、麒麟麦酒は関東大震災で打撃を受けた横浜工場に代わり、合併した仙台の小田原工場をフル稼働させて乗り切ったと伝えられています。

そのようなほんの一瞬の存在だったフジビールを描いた作者は日本最初の職業漫画家・北澤楽天(1876~1955/本名:安次)です。埼玉県出身で日本画も描きました。1945年戦況により一時、宮城県遠田郡田尻町(現・大崎市)に疎開していたそうです。

では何故、地ビールを漫画家が描いたかというと、大正11年の夏、仙台協賛会が商業・観光の振興策として東京の新聞関係漫画家を主要メンバーとする「東京漫画会」を招き「漫画の旅」を企画します。その一年後に記念として『松島金華山漫画之旅』という本が発行されています。楽天はそのメンバーとして宮城県を訪れています。上野発の夜行列車内や、旅館ではフジビールでもてなし、また「フジビール」会社訪問など、随所にフジビールは登場します。この画帖の他にも参加した漫画家の色紙が当館に収蔵されていますが、これらを見ると楽天は必ずといっていいほど、フジビールを題材にしています。富士山でフジビールを傾けているその人は作者・楽天自身でしょう。

余程フジビールを気にいったのか。単にビール好きだったのか。少し早く『漫画之旅』が発行していれば、フジビールは続いていたでしょうか。

(文責 尾暮)

春季展「鳥づくし―鳥から たどる 絵画の見方―」開催報告

4月8日~5月31日、春季展「鳥づくし―鳥から たどる 絵画の見方―」を開催いたしました。多くの皆さまにご来館頂き、誠にありがとうございました。

今回は描かれた鳥について、主題や隠された意味、表現に着目し、目で愉しみ、思考を巡らせて絵画の楽しみ方を考える内容でした。花鳥画にはじまり、隠喩(いんゆ)による吉祥図、生態や生活に関わる画題のほか、鳥瞰図(ちょうかんず)のように空を翔る鳥の視点を技法に取り入れた作品も紹介いたしました。

写真の児玉希望「東風」に鳥は描かれていませんが、鳥瞰を意識して見ると、海風にのった鳥の目線で楽しむ事ができます。何気ない視点の変換によって作品の印象が随分と変わった、とのお声もありました。また、当館は広瀬川沿という立地上、水辺を求めてやってくる鳥の鳴き声も聞こえてまいります。「鳥づくし」で画中の鳥に触れていると、ふと耳を澄ませば囀りが聞こえてくる、そんな楽しみを味わわれた方も多くいらっしゃったようです。

展示室に置いている「つぶやきノート」では、以下の感想をお寄せ頂きました。
「小6です。リアルな作品もあれば、サラッと書いたようなものもあったのがおもしろかったです。気に入ったのは、タカが白鳥を取っている作品です。はく力があって、かっこよかったです。『かわいいな』と思ったのはしらさぎの絵です。つぶらなひとみがたまりません。」(一部抜粋)
他にも様々なご感想やご意見を頂戴しております。この場を借りて御礼申し上げます。

(文責 相澤)

お待たせしました!福島美術館ガイドブックができます!

今年11月に福島美術館の運営母体である社会福祉法人 共生福祉会が設立50周年を迎えます。その記念事業の一つとして福島美術館ガイドブックを製作販売することとなりました。今回は福島美術館を広く知っていただくための内容構成です。好きなページからご覧いただけるようにと工夫しております。(B5版/128ページ/予定販売価格1300円)
販売開始は11月11日です。通信販売も対応いたします。福島美術館までお問い合わせください。

福島美術館事業ご支援のお願い「七福絵はがき募金」

「七福絵はがき募金」は、収蔵資料の保管修復事業や広報活動に活用させて頂いております。今後とも、仙台・街のちいさな美術館 福島美術館の運営活動について、どうぞ皆さまのご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。
※2千円以上の御寄付で税制上の優遇を受ける事ができます。

◎次回予告
平成27年度 新春吉例「めでた掛け」
平成28年1月6日(水)~2月28日(日)
開館から続く当館伝統の展覧会。「めでたい掛け物」を見て新春を寿ぎましょう。
年の初めの展覧会に、是非どうぞ!

このページの初めに戻る

工芸品 近世の作家 近世江戸・京阪の作者たち 近世郷土の作者たち 伊達家関連資料 主な収蔵品