社会福祉法人共生福祉会 福島美術館

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福島美術館通信

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平成29年8月1日

福島美術館通信 No.58
【陳列作品紹介】

伊達政宗筆
鮎貝日傾斎宛書状あゆかいじっけいさいあてしょじょうちゃ稽古けいこ)」

天正てんしょう16(1588)年 紙本墨書 29.0×52.0cm

これは伊達政宗(1567~1636)が書いた手紙です。後に伊達家で、金糸の見事な表具を施し「茶掛け」として茶席の床の間に掛けられたものです。

政宗は、伊達家16世・輝宗てるむねの長子として米沢城(現山形県)で生まれ、若くして米沢城主となります。後に政宗が岩出山を経て、仙台を居城とする頃には、徳川家の世となっていたことは周知のとおりです。

流麗かつ自由闊達な文字が連なる美しい手紙ですが、あの有名な「鶺鴒せきれい」の花押かおうは見られません。大要は「明日、泥蟠斎でいばんさいの下で茶席がある。当世の茶の湯の稽古に相伴するように。夜間に思いついて筆を執った。」という内容です。つまり、右筆ゆうひつによる代筆ではなく、政宗自身による手紙です。

宛名の「日傾斎じっけいさい」は政宗の家臣・鮎貝宗重あゆかいむねしげのことで、もと米沢付近の鮎貝城主。政宗の祖父・晴宗はるむねの代からの家臣で、仙台築城後は気仙沼に屋敷を許されます。次に「泥蟠斎でいばんさい」とは、同じく家臣・小梁川盛宗こやながわもりむね(父・輝宗の義兄)のこと。京都の伏見付近に居を構えていたといわれます。文中の「当世の茶の湯」とは「今、流行している茶の湯」という意味ですが、これは、千利休せんのりきゅうの「草庵の茶=侘茶わびちゃ」と考えられています。父・輝宗の行事の記録には「茶の曳き初め」があり。伊達家では以前から茶と関わりがあったようですが、政宗は更に、上方かみがたで流行していた利休の侘茶を学ぼうとしていたようです。

書かれた年代は、政宗の自署の形から天正16年のものと推定されています。更に手紙にある「茶湯」は、「天正日記」(側近が記した政宗の日常の記録)にある天正16年12月18日の条の茶会を指すものと考えられています。

つまりこの手紙は、米沢城主時代の22歳の政宗が、戦乱の最中でさえ、寸暇を使い流行の茶の湯を家臣と共に積極的に学ぼうとした姿が、端的にあらわされたものであり、伊達家では茶掛けに最もふさわしい内容だったのでしょう。伊達家の茶道頭さどうかしら6代・清水道看しみずどうかん(1789~1859)の旧蔵として福島家に伝えられました。

(文責:尾暮)

〈収蔵品案内〉 切込焼「染付松図茶碗《末の松山》」

宮城にはたくさんの名勝地と、その場所を描いた作品があります。今回ご紹介する作品もその一つ。19世紀に作陶された「染付松図茶碗」は、白地に藍色の染付が特徴的な切込焼です。見込み(茶碗の内側)には、古今和歌集の東歌「君おきて あだし心を我もたは 末のまつ山 波もこえなん」が付され、胴に描かれた松が多賀城の歌枕「末の松山」だとわかります。1100年前にこの地を舞台とした男女の恋慕をうたった和歌は、松尾芭蕉を含む多くの歌人に愛されました。4代藩主・伊達綱村の治世には全国的な名所整備が進み、「末の松山」を含む藩内の名勝地が保護されています。

この茶碗でもう一つ目を惹くものは、「金継きんつぎ」の存在です。所々をつないだ金は、この茶碗が長く大切に使われてきたことを物語っています。収められた木箱には「伊達候から拝領」と記され、欠けや割れの度に金でつなぎ留め、先祖代々大事にされてきたことが読み取れます。時を経て、いつしか福島家のもとへと辿りつきました。

1100年前の歌枕の地は、伊達綱村が保護したことによって現代までのこされ、今もその姿をみる事ができます。そして、その地をあしらった茶碗は、200年という時間の中で修復を繰り返しながら人の手をわたって過ごしてきました。この一つの茶碗の中には、時代と人を経て脈々と紡がれてきた文化の継承を見ることができるようです。

(文責 相澤)

雑誌「墨」の寄贈を受けました

芸術新聞社発行の書道雑誌「墨」、季刊「墨スペシャル」183冊の寄贈を受けました。墨を切り口に漢詩や歴史、美術も楽しめる総合的な雑誌です。1階の情報コーナーで公開できるよう準備中です。美術館で芸術の秋・読書の秋のひと時をお楽しみください。

伊達政宗の手紙「鮎貝日傾斎宛書状〈茶の湯の稽古〉」の絵はがき発売中!

伊達政宗生誕450年記念にあわせ、当館所蔵の伊達政宗22歳の筆による手紙「鮎貝日傾斎宛書状〈茶の湯の稽古〉」が、絵はがきになりました!受付にて販売中です♪

「七福絵はがき募金」受付期限のお知らせ

「七福絵はがき募金」は、震災から7年目となる平成30年3月31日をもちまして、受付を休止することと致しました。皆さまのこれまでのご支援に厚く御礼申し上げると共に、これまで頂いたご支援は、収蔵資料の保管修復事業や広報活動に活用させて頂きます。なお、これまでの活用のご報告については、追って詳細をお知らせいたします。

◎次回予告
平成29年度 新春展
めでた掛け
〜美術館で笑い初め(仮称)〜
平成30年1月5日(金)〜3月3日(土)

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