社会福祉法人共生福祉会 福島美術館

福島美術館通信

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仙厓義梵筆「寿老自画賛」

平成29年12月1日

福島美術館通信 No.59
【陳列作品紹介】

仙厓せんがい義梵ぎぼん筆「寿老じゅろう自画賛じがさん

江戸時代後期/絹本墨画 61.1×26.9cm

福島美術館吉例の展覧会、「めでた掛け展」の季節がやってきました。昭和55年の開館から毎年お正月に開催している展覧会です。美学者で当館の初代学芸員・佐藤さとう あきら(1905〜1986)による発案で、「おめでたい掛軸をみんなで見て、新年のお祝いをしましょう」という思いから始まり、今年で38回目を迎えます。

今年のテーマは「美術館で笑い初め」。日本美術のなかには、たくさんの「笑い」の表現があります。今回ご紹介する作品もその一例です。描かれているのは、”博多の仙厓せんがいさん”で親しまれた仙厓せんがい義梵ぎぼん(1750〜1837)による「寿老じゅろう自画賛じがさん」という作品です。にっこりと目を細め、口を大きく開いて笑う長頭の老人は、七福神の一人・寿老人じゅろうじん福禄寿ふくろくじゅ)。幸福・富・長寿を象徴する福の神が蓑亀みのがめの背に立ち、そのままゆったりと泳いでいく様子が想像されます。上には「鶴は千年 亀は万年 我は天年」という賛が付されています。「延命長寿の鶴と亀のようにとまではいかないが、私は天に与えられた人生を生き抜こう」という仙厓の気持ちが表されているようです。この賛を気に入っていたのか、いくつかの作品にも同様に付されています。

仙厓は、美濃国(現在の岐阜県)生まれ。臨済宗古月派の禅僧として厳しい修行や行脚で研鑽を積み、博多の日本最古の禅寺・聖福寺しょうふくじの第123世住職に着任して、寺の再興と弟子の育成に勤しみます。絵筆をとりはじめたのは40歳から。飄逸ひょういつな筆墨とユーモアに富む賛で、禅の教えについて難しいことを易しく、柔らかく人々に伝えた作風は、見る人の心と顔を優しくほぐしてくれるように語りかけてきます。人柄を親しみ、多くの揮毫きごう依頼を受けていた仙厓ですが、晩年の隠居住まいまでにも訪れる来客の数々に、とうとう筆を折る決心をし、「絶筆の碑」を建立ました。それでも、心変わりをしては晩年まで書画を描き与えていたといわれます。洒落っ気のある作風と、人間味あふれる仙厓の人柄が重なるようです。

新春吉例「めでた掛け〜美術館で笑い初め〜」では、このほかにも日本美術の「笑い」を表現する作品を展示します。画面のなかに笑顔があふれる作品や、絵や文字を読み解いて笑いを誘いだす作品。反対に、笑いの中に痛切な風刺を込めた作品など、多種多様に富む「笑い」の世界をお楽しみください。

平成30年は「めでた掛け」を見て、笑顔の溢れる1年にしましょう!

(文責 相澤)

SMMA見験楽学ツアー09「ミュージアム周遊政宗バスツアー」実施報告

11月2日(木)にSMMA(仙台・宮城ミュージアムアライアンス)主催による伊達政宗生誕450年記念のバスツアーを実施致しました。「仙台市博物館~仙台城本丸跡~瑞鳳殿~福島美術館」のコースを、学芸員リレートークつきで巡るという豪華なツアーで、あっという間に定員となったそうです。

当館では、秋季展「福島家がのこした伊達な文化」(後期)をご覧いただき、藩祖政宗をはじめ、歴代藩主に関連した掛け軸をご紹介しました。茶の湯、和歌、書などの教養と文化は、江戸時代の大名にとっては、大名・公家とのお付き合いの必須要件だったことをお話すると、皆さん納得された様子でした。今年の夏に発売した絵はがき「伊達政宗筆 鮎貝日傾斎宛書状(茶の湯の稽古)」をお土産にお持ち帰りいただきました。

(文責 尾暮)

秋季展関連イベント二題
「古い本<活版印刷>にふれてみよう!」
「古武道・柳生心眼流甲冑兵法演武」

10月28日(土)開催の2つのイベントをご報告します。

「古い本」では、普段は閲覧できない伊達家や茶道石州流せきしゅうりゅうに関連する図書や、大名家の売り立て目録など、貴重な本を手に取ってご覧いただきました。また、せんだいメディアテークのご協力をいただき活版印刷の工程をDVDで紹介しました。

午後は仙台柳心会8名により古武道の演武と体験ワークショップを南側駐車場で行いました。重い甲冑に身を包んだ、素早い動きの剣術や棒術は圧巻で、固唾を呑んで皆でジッと見つめていました。最後はお客様も参加して現代に役立つ護身術を教えていただきました。台風続きで大雨が心配でしたが、当日は雨に遭わずホッとしました。それが何よりでした。

(文責 尾暮)

「七福絵はがき募金」受付期限のお知らせについて

「七福絵はがき募金」は、震災から7年目となる平成30年3月31日をもちまして、受付を一旦休止することと致しました。皆さまのご支援に厚く御礼申し上げると共に、これまで頂いたご支援は、収蔵資料の保管修復事業や広報活動に活用させて頂きます。なお、募金活用のご報告については、追って詳細をお知らせいたします。

「七福絵はがき 第二集」ができました!

一口2000円のご支援を頂いたお礼に用意しておりました「七福絵はがき」は、残部が無くなり次第、第二集へと更新いたします。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

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